「永久の推理と無線機と異論」
すると、
ホウセイが、
「無線機は、
たしかくそたの部屋にあるはずだが、
話しを訊く順序には反対だな。
ヒトメちゃん、
チウメちゃん、
オオシマの順の方が確実だ。
オオシマが完全にシロだとは、
まだ断定できないからな」
と、
永久に異論を述べると、
「だけど、
あのホウセイ宛の文書ファイルには、
二人の芝居ってあったけど...
あー、そうか!
アレは偽造だったな。
もとめが真犯人ならオオシマも共犯かもしれないということだな。
なるほど」
永久はひとりで自分の推理を前提に納得していた。
「今回の真犯人は、
結局、
もとめ先生とオオシマか?
うーん、
それだとまだ不気味だな」
永久の推理には納得していなかった木太郎がオオシマも共犯
と聞いたとたん、考えが変わったのか、
鼻をひくひくさせながら、そういうことを言いだした。
「木太郎、
俺は永久の推理が正しければ、オオシマも共犯の可能性がある
と思って、
さっきのような意見を言っただけど、
まだ、
オオシマが共犯だと決まったわけじゃないし、
そこまで心配はしないでいいよ」
と、
ホウセイが言うと、
「ホウセイはまだ俺の推理に疑問があるようだな。
まあ、しょうがない。
とにかく、
無線機を取って、
まず、
ホウセイの意見のとおり、
ヒトメちゃんから話しを訊こう。
ヒトメちゃんの話し次第では、
俺もまた考えを変えるかもしれないから」
「まあ、それしかないな。
ホウセイ、行こうぜ。
遅いってくそたに怒鳴られるぞ。
あー、
その前にちょっとトイレ」
と、
永久の言葉に、
木太郎はそれだけ言うと、
さっさとトイレに入っていったのだった。
(続く)