「永久の推理と怯えと嘘の理由5」
永久の反論に対し、
木太郎もホウセイも、
永久の推理には何か違和感があったが辻褄は合っていたので、
すぐ言い返すことはできなかった。
永久は二人が反論してこないことを確認すると、
さらに話しを続けた。
「疑問点は解消されたかな。
話しを続けるぞ。
もとめ先生が本当に自殺し、
レイカちゃんが逃げた後、
おそらく、
実際は、
チウメちゃんが、
ヒトメちゃんを、
なんでそんなナイフを持ち込んだのかと、
かなりきつい感じで責めたんだろうな。
ヒトメちゃんは、
レイカちゃんから、
例の芝居の話しと、
チウメちゃんが芝居の提案して偽物のナイフ
を本物にすり替えてもとこを殺させたんだろう
という話しを聞いていただけじゃなく、
さっきも話したように、
もとめ先生が死ぬ間際に、
「あんたたち、
もとこに寝返ったのね」
とか、
何か、
凄い言葉をもとめが吐いたことから、
チウメちゃんが犯人だ、
と確信して、
おそらく、
チウメちゃんにレイカちゃんからは何も聞いてないフリをして、
ただ、謝るだけ謝って、
後は、チウメちゃんに指示されたとおり、
行動することにしたわけさ。
自分が、
チウメちゃんが犯人だ
と知っていることがバレたら殺されるかもしれないからな。
他方、
チウメちゃんは、
ヒトメちゃんのおどおどした様子や、
レイカちゃんが逃げたことや、
もとめの最後の言葉から、
自分がヒトメちゃんに疑われていることに気づくと共に、
同じように偽物のナイフを持っていたアスカちゃんが自分を陥れた、
と思い込んだんだろうな。
それで、
自分を犯人だ
と疑っているヒトメちゃんなら、
自分の言うとおり嘘の証言をしてくれると思って、
ああ言った嘘を考えて、
どうにかして、
自分が疑われないようにすることと、
アスカちゃんが犯人だ
という証拠をつかもうとしたわけさ。
まあ、
真相はだいたいこんなところだろう」
永久は自分の推理を最後まで話して、
ため息をついたのだった。