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「永久の推理と怯えと嘘の理由3」


 木太郎の様子を見た永久は、

 「焦り過ぎだけど、

 また、反論される

と思ってこうして順を追って説明してるんだけどな。

 じゃあ、先に話す。

 レイカちゃんは、

 芝居のはずが本当にもとこが死んだことを盗み聞きして、

 チウメちゃんが予めナイフをすり替えて、

 自分にわざと本物のナイフを取らせて、

それをオチタに渡させた

と確信して、

 チウメちゃんが恐くなっていたんだよ。

 それで、

 何も知らないヒトメちゃんに例の芝居の話しなどをしたんだ。

 レイカちゃんの怯えの理由のひとつは、まず、それ」

と、

 永久がまた話し始めたところで、

 「うーん?

 おかしいな。

 じゃあ、何故、のこのこと二人はチウメちゃんともとめ先生のいる部屋に戻って

行ったんだよ」

と、

 木太郎がまた口を挟んだ。

 「だから、最後まで訊けよ」

 「木太郎、

 なんとなく、

 俺は永久の推理の概要はわかってきた。

 正しいかは別だけどな。

 だから、最後まで訊こう」

と、

 永久に続き、ホウセイが言ったので、

 「わかったよ」

 木太郎が鼻をほじりながら、

少しふてくされたように言う。

 「じゃあ、続けるぞ。

 で、

 今の質問の答えにもなるけど、

 まず、

 ヒトメちゃんはレイカちゃんの話し

を半分くらいしか信用していなかったのと、

 レイカちゃんの話しのとおりなら、戻らない

と自分たちも危ないと思って、

もとめとチウメちゃんのいる部屋へ戻って、

もとこが死んだことをとぼけているように、

レイカちゃんに話したんだよ。

 多分、 

 ヒトメちゃんは、

 チウメちゃんが犯人なら、

 もとこが死んだことは知っているから、

 二人が平気な顔で、

 もとこの部屋の前で他の生徒たちが揉めているとか話せば、

チウメちゃんの様子でわかる

と思ったんだろうな。

 で、

 結局、レイカちゃんも戻らないで、

自分がやられたら困るので、ヒトメちゃんの意見に従ったんだ。

 ただ、万一のことを考えて、キッチンへ行って、

ナイフを取りに行ったんだけどなかったんだけど、

ホウセイが落としたナイフをヒトメちゃんが見つけて、

どこか目についてしまうとこに、入れていたんだろうな。

 で、

 二人が部屋に戻ったとたん、

 もとめが、

 ヒトメちゃんの持っていたナイフを見つけると、

 それを奪って、

 いきなり自殺を試みて、

 本当に死んでしまったんだろうな。

 ただ、ナイフだから、即死じゃなかったはずで、

 死ぬ間際に、

 きっと、

 「あんたたち、もとこに寝返ったのね」

とか、

 何か、凄い言葉をもとめが吐いたんだろうな。

 それで、

 レイカちゃんは余計恐くなり、

 多分、最初のもとめの自殺未遂のとき、

落ちていたままになっていた返り血を浴びたナイフ

をもとめが使ったナイフだと思い込んで、

そのナイフを拾って、そのまま一人で先に逃げたんだろうな」

と、

 永久が長々と自分の推理を話しているとき、

 また、

 木太郎が永久の話しの途中で、

 「おかしいな」

と鼻をほじりながら、今度はホウセイを意識して、

小さな声で呟いたのだった。




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