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「永久の推理と怯えと嘘の理由」



 「そうだ!

 ホウセイが正しい!

 チウメちゃんはまだしも、

 ヒトメちゃんがそこまで嘘をつく理由はない!

 残念だったな、永久」

 木太郎が、

 先に真相を推理されて悔しかったのか、

鼻をほじりながら少しバカにしたような感じで、

ホウセイに同調して言う。

 しかし、

 永久は、

 そういう木太郎の態度には慣れていたので、

怒りもせず落ちついた感じで、

 「普通は

 ホウセイや木太郎の思っているとおりかもしれないけどな。

 でも、

 レイカちゃんが怯え、

 ヒトメちゃんが脅かされる理由があったとしたら、

 どうなるのかな?」

と言って、

 ホウセイと木太郎の顔を見た。

 「怯えと嘘の理由?

 わかって話してるのかよ」

 木太郎は今度は股間を掻きながら、そう言った。

 「ああ。

 いいかな。

 これまでの俺の推理だと、

 ヒトメちゃんは最初は芝居の話しは知らなかった。

 他方、

 レイカちゃんは、

 おちたがもとこを刺したのは芝居だと確信していた。

 その二人がもとこの部屋に様子をうかがいにいくことになったときの状況

を考えてみろよ。

 くそたの部屋に残った4人のうちで、

 アレがお芝居だ

と思っていなかったのはヒトメちゃんだけだ。

 実際、もとめは違うけど、芝居のつもりではいた。

 このとき、

 他のメンバーの戻りが遅いとき、

 4人の心境は、

 それぞれ違ったはずだ。

 レイカちゃんとチウメちゃんは芝居がバレてしまって何かあったのか不安で、

 ヒトメちゃんの場合は、

こんな殺人みたいなことが起きてしまい凄く不安になっていたことと、

 いなくなったメンバーがこの後、

 どんなことをするのか心配だったに違いない。

 で、

 もとめの場合は、

 自分がナイフをすり替えたので、

 きっと、

 殺人否定派と芝居だと知った殺人肯定派のそこにいない生徒の中で、

 誰がナイフをすり替えたか議論でもしているんではないか、

と内心思っていて、

 自分がすりかえ犯ではないことを共犯のアユメちゃん、

チウメちゃんも含め、

生徒たち全員に確信させるにはどうすればいいか、

を、

 それぞれ考えていたと思う」

 永久がそこまで話すと、

 焦れったそうにしていた木太郎が口を挟んだのだった。


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