「永久が辿り着いた真相?に対する疑問2」
永久のやや挑発的な言葉に対し、
木太郎もホウセイも答えられずにいると、
「いいか。
アスカちゃんは、偽物のナイフ
を護身用に身につけていたわけだ。
他方、
チウメちゃんは自分の部屋に偽物のナイフ
を置いていたわけだ。
で、
アスカちゃんは一度自殺の芝居をしていて、
ずっと護身用に偽物のナイフを所持していたことは、
女子はみんな知っているから、
万一、
女子の誰かにアスカちゃんがナイフ
を所持していないことがバレたら、
せっかくのもとこ先生の仕組んだいたずらも
すぐバレる可能性があるから、
敢えて、身に着けずに部屋に放置したままのチウメちゃんのナイフ
を使うことにしたんだよ」
と、
永久にしては、
疑問を呈した木太郎も予想していない、
それなりに筋の通った答えをしたので、
木太郎にとっては予想外で、
ただ、鼻をひくひくさせながら、
何か他に反論できないか
と考えていたのだった。
他方、
ホウセイは、
「それはそれでいいよ。
でもさ。
今の永久の話だと、
殺人否定派に回ったグループの生徒には
アレが芝居だ
とわかるから、
全部の生徒にサプライズ
というわけにはいかないんじゃないか?」
と、
木太郎の質問に永久が答えるまでの間に感じていた違和感
をはっきりとした疑問にして、
永久に訊いたのだった。