「永久が辿り着いた真相?」
「どういうことだ?」
ホウセイが永久の方を見る。
「もしかしたら、
この文書ファイルも偽造かもしれないって、
閃いたのさ。
そして、
そう考えると、
今回の事件の真相が見えてくる気がすんだ」
と、
永久がもとこから遅れられてきたメールが、
木太郎が偽造したものだと知ったとたん、
自分なりに今回の事件の真相に辿り着いたような言い方をした。
「もとこ先生が皆殺しを考えていなかったとしたら、
誰が何の目的で、
もとこ先生を庇うような俺宛の文書ファイルを偽造するんだよ。
そんな必要はないじゃないか?」
泣きやんだ木太郎が永久にすぐ言い返した。
「いや、あるんだよ。
俺の推理を確かめるには、オオシマさんと話す必要がある。
彼ももとこ先生のいたずらの共犯者だと思うからな」
「まさか、地下まで行って、会う気かよ」
永久の言葉に少しびびったように、ホウセイが言うと、
「いや、無線機を取りに行って、
俺が直接話すから」
永久は話しているうちに自信を持ちだしたのか、
そう言うと、
ホウセイも木太郎も少し考えてから、
「先に永久が考えた、今回の事件の真相を話せよ。
俺宛の文書が永久の言うとおり、
偽造なら、下手にオオシマと接触するのは危険だろ」
「そうだ。
まず、永久が考えた真相というのを話せよ」
と、
それぞれ言ったのだった。