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「フォルダとホウセイ宛の文書ファイル」
解凍したtestフォルダを開くと、
その中には、
houseikunheというタイトルの、
ひとつのワード形式のファイルと、
maruhi1から3
というタイトルの3つのフォルダが入っていた。
「やっぱり、
ホウセイにあげる予定のSDカードだったのか」
木太郎は後ろから覗き込みながら、
鼻をひくひくさせてつぶやくと、
ホウセイは、
ふーと一呼吸おいてから、
まず、
自分宛のワード形式のファイルを開いたのだった。
早速、
ホウセイはそのファイルの中の文書を読み始めた。
そんなに長い文章ではなかったので、
後ろから覗き込んでいた、
木太郎も、
永久も、
すぐ読めた。
そして、
文章を読み終えたホウセイは他の3つのフォルダを開こうともせず、
黙り込んだまま俯いていた。
後ろにいた木太郎も、
「いったい、
これは...」
と言って口籠もった。
そして、
永久は、
「まさか、本当の悪魔は...。
おい、気落ちしないで、フォルダの中身を見るんだ。
おい、
ホウセイ!」
と、
永久にしては珍しく大きな声を出したのだった。