「SDカードの謎?」
木太郎はもとこの部屋に入ると、
早速、ノートパソコンを起動させ、
207号室で見つけたSDカード
をカードーリーダー挿入口に入れた。
「認識したぞ!
やったー」
と大声を出すと、
木太郎は思わず変なガッツポーズをした。
「変なポーズはいいから、早く、開けよ」
ホウセイが木太郎の後ろから覗き込むようにして言うと、
「ああ、焦るなって、
いざ、ここまで来ると、緊張するなあ」
と言って、
木太郎は鼻をほじってから、
その手で認識されたSDカード
をノートパソコンについていたマウスでダブルクリックした。
「あー...
ZIPファイルが一つあるだけだ。
うん...
あー...
畜生!
パスワードがかかっている」
木太郎が鼻をひくひくさせながら、
残念そうに言うと、
「ここに証拠があるというのにな...」
永久もがっかりしたように言うと、
「俺のパソコンなら、パスワード解析ソフトが入っているのにな。
桁数が少なければすぐ解読できるのにな。
うーん、
こうなったら、
パスワードを予測してそのZIPファイルを解凍するしかないな。
木太郎、
ちょっと、
俺にやらせてくれるか」
ホウセイがそう言って、
諦め気味の木太郎と場所を入れ代わったのだった。
「パスワードを予測するたってなあ」
永久は完全に諦めたのか、
木太郎の方を見ると、
「でも、ホウセイの奴、何か自信あるみたいだぞ」
と、
木太郎は言って股間を掻いた。
(続く)