「辿りついた真相?とはずされたオチタ」
「オチタはもとめ先生のことになると、
すぐムキになるから、いったん、部屋に戻れよ!
で、
代わりに永久を連れて来い」
木太郎が鼻をほじりながら、偉そうに言うと、
「その方が、話しが早いかもな。
まずは、木太郎の意見を聞いてから、
オチタには話すからそうしてくれ」
ホウセイも木太郎の意見に同調して、
そう言うと、
「ごめん、
つい興奮して。
わかった。永久と代わってくる」
オチタは自分でも悪いと思ったのか、
あまり聞きたくない話しだ
と思ったのか、
素直に言うと、
すぐ部屋を出ていった。
オチタが部屋を出ていくと、
「何で、永久を呼び戻したんだよ。
俺と木太郎だけで充分だろ」
ホウセイは木太郎の意見に同調したクセに
そんなことを言う。
「自分だって、それでいいと言っただろう」
「それは、
とりあえずオチタをはずすためで、
深い考えはなかったんだよ。
で、さっきの質問だけど、
何で、
永久を呼び戻すことにしたんだ?」
「ホウセイ、
メールのことは秘密だぞ。
わかったな。
とにかく、
俺は永久に直接確認したいことがあるんだ。
ホウセイたちがまだ気づいていないことが
俺にはあるような気がするんだな」
と、
木太郎が股間を掻きながら言ったとき、
永久がノックもせず、部屋に入ってきて、
自ら部屋の鍵を閉めたのだった。
木太郎は、
永久が部屋の鍵を閉め終わるなり、
いつものように鼻をほじりながら、
「永久、もとこに、もとめ先生が整形デブだ
という噂を流すように脅迫された
っていうのは間違いないな。
で、それは口でか?
それとも手紙か何かか?」
と、
永久に訊くと、
「口だよ。
メールはここでは届かないし、
手紙じゃ、証拠に残るからだろ」
と、
永久は即答した。
「で、実際にもとめ先生が整形デブだという噂を流したのか?」
ホウセイが木太郎に説明していなかったことを訊くと、
「いや、
実際は、
おちたがもとこの部屋に呼ばれて、
その整形前の画像を見せられて、
木太郎もいたかもしれないけど、
ホウセイと誰かが、
俺とおちたの話しを聞いてしまったので、
俺が噂を流すまでには、いかなかったんだが、
もとこは俺が噂を流したものと思い込んで、
褒めてくれたんだ」
と、
永久は以前にも話したことを
木太郎に再度、説明したのだった。
すると、
ホウセイは、
「永久が脅迫されていたことは
以前話したときには誰も知らなかったけど、
オチタがもとこにもとめ先生の整形前のようなもの
を見せられた話題は出ていただろう。
ここで、
重要なのは、
女子の中にももとこに脅迫されていて、
それがもとこ殺しの動機だということなんだよ。
下手に時間潰すなよ」
と、
ホウセイが木太郎に言うと、
木太郎が、
「俺が感心あるのは、
女子の中にも脅迫されていた人物がいることじゃなく、
もし、
女子の誰かが脅迫されていたなら脅迫されて何かをするように、
命じられていたはずだ
ということなんだよ。
永久は実際命じられていたんだから、
女子の方も同じはずじゃないか。
で、
永久みたいな内容なら、
敢えて、
もとこを殺す必要なんてないだろう。
実際、永久は褒められておしまいだっただろう。
俺にはそこがひっかかかる」
と、
木太郎は今度は股間を掻きながら、
そう話したのだった。
(続く)