「写真選択」
「最後の写真が多分もとこ先生だなあ」
とくそたが言うと、
「甘いなあ。
最初だよ。
最初のが一番肌の色が黒い。
それに、最初に誰かに自分の背中を撮らせて、
それを生徒たちに見せて安心させたんだよ」
とホウセイが言うと、
「なるほど、
どうりで女生徒たちが落ちついていて、
もとこ先生ともとめ先生だけがにやけていたわけだ」
と木太郎も同意する。
「でもさあ、これを持ち帰った時にバレるんじゃない?」
と永久がもっともな疑問を抱く。
「もとこ先生のことだから、
きっとその辺は何か企んでいると思うぞ」
とホウセイが言う。
「そうだとしたら、ぼやぼやしていると、
カメラ取り上げられるぞ。
早く、選抜しよう。俺は決めたけどな」
と木太郎はいう。
「そうだ。早く決めよう。俺は最後の1枚で悩んでいる」
おちたは言う。
すると、木太郎の予想のとおり、ノックの音がした。
ホウセイが扉を開けると、もとこがいて、
「後、5分よ」
と言いに来た。
「わかりました。5分だけお待ちください」
とホウセイがそう言うと、
扉を閉めてから、
小声で
「木太郎の言うとおりだ。
多分、時間が来たら、自分で取りにきて、
メディアを取り替えて、
全部消去したといって、
女生徒に確認させる気だ」
とホウセイが小声で言う。
「わかったけど、時間がない。
もうたった5分だぞ。
早く、早く」
とくそたがデジカメのディスプレイ上に現れる写真を、
何度もホウセイに言って、
画像を移動させて比較しながら、
まるで暗記するかのように真剣に見ていた。




