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「消えた記録メディアと脅迫のネタと犯人の目的」
ホウセイが考え込んでいると、
「くそたが前に話したように、
犯人が、
パソコン上、
データを消去しても
それの復旧が可能なことを知らなかったと考えれば、
画像等のデータを消去した目的は、
自分がもとこに脅迫されていたことを誰にも気づかせず、
かつ、
そのネタを抹殺するためだ
と考えれば辻褄が合うんじゃないか」
と、
永久が自分の意見を言った。
すると、
「もし、そうなら、
犯人を自白させることができるかもしれないぞ」
と、
今度はくそたが言ったのだった。
「どうやって?」
「だから、
俺が、
もとこのパソコンから消去されたデータを復旧させた
と嘘をつけばいいわけさ。
で、
永久とホウセイも口裏を合わせてくれれば、
大丈夫だろう」
永久の疑問にくそたが自信ありげに答えると、
「うーん?
それはどうかな?
かなりずる賢い悪魔だから、
その前に、
その悪魔が誰だか絞ってから、
カマをかけないと、
肝心の脅迫のネタがわかっていない以上、
シラをきられたら、
それでおしまいだぞ」
と言って、
ホウセイは二人の顔を順に見たのだった。