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「消えた記録メディアの数と脅迫のネタ」
「それならSDカードを処分しても、
パソコンのデータを消しても無意味だよな」
と、
永久が言うと、
「そう、
実際、
脅迫のネタは、
画像じゃなかったと思う。
それから、
SDカードは2枚は最低あったと俺は考えている。
実は、1枚、俺がもらう予定だったんだ。
バックアップ用のSDカードもあったんだろうな」
ホウセイがそこまで話すと、
「ということは、
画像が脅迫のネタでもないのに、
そう思わせるために、
犯人は
わざとパソコン内のデータの一部を消した
ということか?
でも、
もう1枚のSDカードはどうなったんだ?」
と、
永久が訊く。
「犯人がトイレかなんかに流して、
もう処分済みだろう」
「でも、
画像が脅迫のネタじゃないなら、
どうして?」
ホウセイの言葉に、
永久がまた訊くと、
「もとめ先生をもとこ殺しの犯人にするためさ」
と、
ホウセイは
あたかも今回の事件の概要がすべてわかったかのように、
そう断言した。
(続く)