「脅迫していたもとこ?」
ホウセイは
永久から携帯電話を受け取ると、
ざっと軽く目を通してから、
何故か、
「他に誰もいないから、
読み上げていいな?」
と、
そんなことを言ってから、
永久の返事も待たずに、
「今度、
あなたのクラスを担任にすることになった花久素子よ。
よろしくね!
間違えてもあなただけはハナクソ先生なんて呼ばないでね。
もとこ先生でも、
もとこでもいいのよ。
私がこのまま三年生になっても担任を続けて
私立ならどこでも入れてあげるからね。
といっても、
永久くんなら自力で大丈夫よね。
あー、
それから、
あなたが女に生まれていたら...
どきどき...
なーんて冗談よ。
今後ともよろしくね!」
という不気味な内容のメールを読みあげた。
実は、
このメールは木太郎がもとこの名を使って偽造して書いたものだったのだが、
二人はそんなことを知らないので、
「不気味なメールだな。
もとこが美少女好きとの噂があったのに、
キモ男三人衆や俺みたいなどちらかと言うと、
イケメンとは言えない男ばかり選ばれたのに、
イケメンの永久だけ選ばれたのは、
そういうことだったのか?
でも、
美少女好きなのに、何故、永久が?」と、
ホウセイが首を傾げると、
「覚えてないと思うけど、
俺、昨年の学園祭で女装したんだよ。 多分、
そのときにもとこに目をつけられたんだ。
俺が、
もとこだけが露店風呂で入浴しているところになんて、
たまたま入ってしまったというより、
あれは、
おそらく、
もとこの陰謀だと思うんだ。
しっかりと、
素っ裸なところを見られただけじゃなく、
写真まで撮られたみたいなんだ。
そうじゃなきゃ、
風呂場にデジカメなんか持ち込むか」と、
永久は、
それだけでホウセイが永久が脅迫されている内容が
わかるような話しをしたのだった。