「もう一人の悪魔?3」
ホウセイは、
永久が考え込むのを見ると、
話しを続けた。
「もう一人の悪魔、
これからは悪魔でいいな。
その悪魔は何かのきっかけで、
もとこの計画を知った。
もとこは女なのに地声が大きいし、
木太郎や永久でさえ変だ、
ということに気づいたくらいだから、
二人以外にもとこの計画に気づいても
おかしくはないからな。
で、
問題はそれからだ。
その悪魔はその計画を知ったとたん、
計画を阻止するには、
もとこを殺すしかないと考えた。
しかし、
それには壁がある。
ひとつは、
人殺しには違いないから、
俺や木太郎や他の誰かが反対することだ。
もうひとつは、
それが発覚した場合に、
自分に責任が及ぶことだ。
で、
前者は後にして、
後者なんだけど、
自分に責任が及ばないようにするには、
もとめ先生がもとこを殺すしかない
と考えたわけだ。
しかし、
ここからが問題なんだけど、
俺たちはもとめ先生がもとこの計画を知れば、
率先してもとこを殺すものだと思いこんでいた。
しかし、
もとめ先生は違ったんじゃないのかな。
いや、
違ったんだ。
だから、
悪魔は別の計画を立てたのさ」
ホウセイの話しを黙って聞いていた、
永久には、
ホウセイがそうして話していくうちに、
自分の考えに自信を持ち始めているように思えてきたのだった。