「オチタの疑問と推理」
永久は、
ホウセイとオチタが考え込んでいる間、
黙っていた。
そして、
しばらくすると、
ホウセイが、
「そうすると、
俺たちの想定外の行動が起きなければ、
女子たちは、
もとこともとめ先生を喧嘩させた後、
もとこにはキッチンですり替えた偽物のナイフを持たせるようにして、
他方、
もとめ先生には本物のナイフを持たせて、
正当防衛でもとめ先生にもとこを殺させる計画だったということか?」
と言うと、
永久は黙って頷いた。
すると、
すぐ、
オチタが、
「それなら、
女子たちは、
何で本当のことを俺たちに話さないのだろう。
それに、
レイカちゃんのあの凄い怯えようは
どうしてだったのだろう。
永久の推理どおりなら、
俺たち3人がもとこを縛りつけ、
ホウセイがもとこを殺したフリをする
という芝居を提案した時点で、
少なくとも、
レイカちゃんもチウメちゃんも、
チウメちゃんの部屋にあるナイフを使えば、
本当にもとこを殺すことになる
ってわかっていたはずだろう。
それなのに、
レイカちゃんもチウメちゃんも、
それを承知で俺に本物のナイフを渡して、
もとこを殺させたというのか?
それもおかしな話しだし、
そもそも、
それなら、
もとめ先生には責任はないから、
自殺する理由はまったくない。
やはり、
チウメちゃんとレイカちゃんはナイフのすり替えは知らなかった
と考えるべきだろう。
とすると、
ナイフのすり替えを考えたのは、
アスカちゃん、アユメちゃん、ヒトメちゃん、もとめ先生、
最大4人の中の数人だけじゃないのかな」
と言って、
オチタは永久の推理を否定して、
自分の考えを話したのだった。