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「新探偵?くそたの実験材料木太郎」
くそたはそのナイフをじっと見た後、
ゆっくりと自分の腹に刺した。
「何やってんだよ」
木太郎が鼻をほじりながら、バカにしたように言う。
「念のため、確かめただけだ。
問題は次だ。
木太郎、左手の甲を俺の前に付きだしてみろ」
「手でも腹でも同じだろ」
木太郎はまたバカにしたように言う。
ホウセイはそれを見て何か考えている。
「ホウセイ、
木太郎の手が動かないように押さえていてくれ」
くそたがホウセイに言うと、
「もしかして?」
と、
ホウセイはつぶやくと、
「押さえても同じだよ?」
と、
木太郎はまたバカにしたように言うと、
「頼んだぞ、ホウセイ。
木太郎、あまり人のことをバカにしていると、
バチが当たるからな」
と、
くそたは言うと、
偽物のナイフを木太郎の左手の甲に向けて刺した。
「ちょっとは痛かったけど、
ほら、同じだろ」
と、
ナイフの先が鞘に入ったのを確認した木太郎が
バカにしたように笑う。
「さあ、これからが本番だ」
くそたは木太郎の言葉を無視して、
ナイフを構えたのだった。