「その場にいた男子生徒」
「なるほどね。
じゃあ、話しを戻すけど、
何故、
アスカちゃんが偽物のナイフ
を持っていたのか訊いたのって、
男だったか、
女だったか覚えてる?」
と、
木太郎もホウセイの話しを聞いて納得し、
そう訊くと、
「女子だったと思うけど、
じゃあ、レイカだったのかなあ?
でも、この話しが何で重要なの?」
アユメは、
まだこの話しの重要性に気づいていないので、
何故、
こんなつまらないことを訊かれるのか
といった表情をして答えた。
「レイカちゃんか?
生徒なら、もういないからねえ。
例えば、
もとことか、
もとめ先生だったってことはない?」
今度はホウセイが訊くと、
「もとこはありえないし、
普通に話しをしていたと思うから、
もとめ先生じゃなかったような気もする。
やっぱり、
レイカだったかな?」
アユメの答えはやはり曖昧だった。
「で、
その場に他に誰かいなかった?」
と
ホウセイが訊くと、
「話しをしていたわけじゃないけど、
食堂に先に来ていた永久くんが
サイダーかなんか飲んでいたから、
話しを聞いていたかもしれないわね」
と
アユメが新たな証言をしたのだった。
「そう。
永久か?
で、他に男子は?」
「永久くんだけだったんじゃないかな?」
アユメはそう答えたのだった。
そして、
ホウセイと木太郎は顔を見合わせて、
アユメに
「ありがとう」
と言うと、
アユメをみんなの部屋に戻すと、
入れ替わりに、
ヒトメを元いた部屋に連れてきたのだった。