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「アスカの推理」
「チウメちゃんか?
何故、アスカちゃんはそう思うの?」
ホウセイはアスカの質問には答えず、
逆に聞き返した。
「あたしから話すってことね。
わかったわ。
それは
もとめ先生と一緒に残った3人の中で、
彼女が一番落ちついているというか、
冷静なのよ。
逆に、
レイカもそうだったけど、
ヒトメも
何かに怯えているそんな感じがするの。
ということはね。
チウメだけが
もとこが死んだことを確信しているからじゃないか
と思うわけ」
「それって?」
今度は木太郎が訊くと、
「そう。
今回のナイフのすり替え犯は
チウメだったと思うのよ」
アスカは
木太郎の質問にそれだけ答えた。
「すり替え犯なら、
おちたがもとこを刺したナイフが本物だ
ということがわかっているから、
もとこが
あのとき死んだこともわかるってことか。
でも、
それなら、
ヒトメちゃんの話しは
おかしくないかな?」
アスカの推理を聞いて、
ホウセイはアスカの顔を見た。