「最悪なアスカ、不機嫌な永久、そして、のんきな奴」
アスカは部屋に戻ると
トイレに行き、食べたものを全部吐き出した。
ウジ虫を食べたようで、気持ち悪かったからだ。
しかし、
アスカには恐怖よりもショックの方が
上回っていた。
あのもとこが意地悪なのは想定内だったが、
3票しか入らなかったからだ。
しかもその1票が永久だと考えると
実質2人しか自分のことを支持していないことに
大きな衝撃を受けていた。
チウメとレイカが
自分に投票したことは前のテストから確信していただけに、
自分自身に投票したバカなくそたはしょうがないが、
木太郎、ホウセイ、おちたの男3人のうち、
最低一人くらいは投票するだろうと思っていただけにショックは少なくなく、
あまりの人気のなさに吐いた後も落ち込んだ。
永久は部屋に戻ると少しほっとしたが気分は晴れなかった。
鏡を見る。
たしかに、この頭はひどい。
アスカの票を除くと実質1票というのもわからないではない。
でも、やはりひどすぎる。
あのホウセイや木太郎と実質同一の票しか入らない
とはどうしても納得できなかった。
アスカの圧勝なら納得できる。
でも、あのブ男二人と同じじゃ、
とても、くそたを笑えない。
しかも、あの笑ったときのもとこの顔、あれは悪魔の顔だ。
アスカだけでなく俺のことも嘲笑っているに違いない。
アスカが標的なら俺はただの撒き餌だったのかもしれない。
「おい、あの結果、やっぱり顔だよな。
坊主頭で顔がよくわかるというしなあ。
髪型でごまかしていた永久ももうおしまいだなあ。
これからは俺の時代だなあ」
とあの木太郎がデカイ鼻の穴をひくひくさせて、
笑っているかと思うとむしょうにむかついた。
他方、
おちたはのんびりと露天風呂に浸かっていた。
なんか、天国に来た気分だった。
自分には票こそ入らなかったが、
飯はうまいしもとめは綺麗だし、
風呂はいいお湯だし、本当にいい気分だった。
票のこともあの永久が自分の票を含めたたった2票で、
自分とは大差なく、個性の強いホウセイや木太郎にも票が入ってきたことで
不潔は駄目だけど
「要はハートよ」
とのもとめの言った言葉が今日の結果に出たようで、
なんだか、むしょうにやる気が出てきたおちたであった。