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「遺体」
「何が?」
「だから、この服はどう見ても、
もとめ先生のだろ。
でも、自殺未遂は失敗だったんだから、
死ぬはずないんだよ。
それに他の3人はどこに行ったんだ?」
「そうだけど、
その前に、
誰か、
早く、あのハンカチとってみてよ。
まだ、信じられないのよ」
「おちた、行け!」
木太郎がおちたに偉そうに命令すると、
おちたは悲しそうな顔でベッドに近づいた。
「ああ」
おちたはため息をつくと、
そっとハンカチをはずした。
「せんせい...」
「まさか...」
「部屋の鍵を閉めるぞ!」
ホウセイは覚悟していたのか、
何か考えがあるのか、
意外に冷静だった。