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「木太郎しかいない?」
「うーん、残念だな!
おちた。
あの芝居は、
俺のアイデアで、
誰からもアドバイスは貰っていない。
まあ、
信じて貰えないならしょうがないけどな。
たしかに、
おちたの推理のとおり、
俺の発案がないと、
ナイフのすり替えだけでは、
もとこを殺せなかったよなあ。
でも、
俺はずっと木太郎といたし、
誰とも相談はしていない。
本当だ」
と、
ホウセイは平然と答える。
「じゃあ、
ここに犯人がいるとしたら、
木太郎くんしか残らないんじゃなーい?」
と、
アユメが半分ふざけた言い方をする。
「それなら意外性充分だな。
探偵イコール犯人みたいで」
ホウセイがそう言って苦笑いすると、
「バレたか、俺だよ! 黒幕は」
と
木太郎は、まったく、うろたえず、
冗談を言う余裕がある。
「何だ?
また、フリダシ?
あー、そうだ!
犯人は、
あんた、
アユメじゃないの?」
今度は、
アスカがアユメの方を見ながら、
突然変なことを言いだした。