「殺される?」
木太郎とホウセイは、
倒れたおちたのほっぺたをたたくが、
おちたは完全に気絶していた。
「怖い話しするからだよ」
自分から言いだした
木太郎が、
ホウセイの顔を見ながら言う。
「わりい。
おちたは気が小さいから、
あえて否定すべきだったなあ」
ホウセイが、
今頃気づいたように言うと、
「そうねえ。
おちたくんを先にどこかで休ませてから、
話しをすればよかったわねえ」
と
アスカもすまなそうな顔をする。
「おちたくんには悪いけど、
気絶して良かったんじゃない。
その方が、
もっと怖い話しできるでしょう」
アユメがみんなを慰めているのか、
自分が楽しんでいるのか、
わからない言い方をしたので、
「あんた、
下手すると殺されるかもよ」
と
アスカがアユメを脅かす。
「えー、何でえ?」
と言いながら、
アユメが少し震えだした。
「わかったのね」
「うん」
アスカとアユメは、
二人だけわかったような言い方をする。
「どういうこと?
殺されるって」
木太郎が訳がわからないので、
アスカに訊く。
「木太郎くん、
このことを知っていたのは、
本当は、
あなたたち、3人だけ、わかる?」
アスカが木太郎にそう言うと、
ホウセイが初めてその恐ろしさに気づいたようだ。
「もしかして、
俺たちもレイカちゃんとチウメちゃんに
殺されるということ?」
と
何故か声をひそめてアスカとアユメに訊く。
「そうだったのよ。
でも、
二人でここにきちゃったから...」
アユメはアスカの方を見て、
そう言いかける。
「ああ、
あのときやめておけば良かった」
アスカが後悔したような言い方をするが、
「よーし、
じゃあ、やられる前にやるか、
こっちの方が人数多いぞ」
と、
木太郎が恐ろしいことを言いだした。