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「おろおろ」
「どうしよう」
「先生!」
「やばいぞ」
「せんせーい」
「顔を叩いてみたら」
「いやー同じだよ」
「ナイフも刺さってるよ」
「そんなあ、
おかしいぞ」
「木太郎くん」
「あっ、
アユメちゃんにアスカちゃん」
おろおろする、
おちた、木太郎、ホウセイに、
部屋にそっと入ったアユメが声をかけた。
「ほら、アスカ、死んでるじゃない」
「うん。ごめん。
演技だと思ったのよ」
「おちたくん、
今頃慌てているの?
でも、
しょうがないじゃないのよ。
もとめ先生を救うため必死だったんでしょう」
「あのときはパニックだったのよね」
アユメとアスカに、
おちたはそう言われて、
余計おろおろする。
「問題は、
もとこの死体をどうするかよね」
「そうねえ。
これじゃ、
自殺に見せかけるのは無理よねえ」
「やっぱり、
埋めるしかないんじゃなないの」
「そうよねえ」
そう二人に言われて、
おちただけでなく、
木太郎、ホウセイも完全に動揺してしまった。