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「アスカの閃き」
アスカは、
「いーい、
今までは自殺に見せかけるとか、
殺人を隠蔽することを考えていたわけよ。
でも、
堂々と殺人をすればいいのよ」
「堂々と」
永久が首を傾げると、
「もとこを開放するの。
そうしたら、
もとこは、
すぐ襲いかかってくるわ。
これ見て」
アスカは、
ナイフのようなモノを見せる。
「あたし、
演劇部なんだけど、
小道具の偽物のナイフ護身用に
いつも隠し持ってるのよ。
これを、
もとこを解放して
すぐ見えるところにおいておくわけ」
アスカがそう言いかけると、
「そうか、
もとこはそれで襲いかかってくるから、
そこを正当防衛で殺すんだ」
永久が言うと、
「ピンポーン」
と
アスカが嬉しそうに言う。
「でも、
誰がその殺す役をやるの」
と
ヒトメが言うと、
アスカ、アユメ、くそたが
ほぼ同時に
「あたしが」
「私」
「俺」
と
声を出したのだった。
(続く)