「もとこを裸にして吊す?」
「もとことオオシマはいつ動くかしら」
アユメがみんなに訊く。
「そうね。
みんな寝てから、
一人づつ、殺す気でしょう」
と
アスカが答える。
「じゃあ、
まだ、2時間くらいは余裕あるわね」と
アユメが言う。
「あのさあ、
これからもとこの部屋に遊びに行くフリして、
もとこを捕まえない。
そして、
万一、武器を隠し持たないように、
素っ裸にして207号室に吊すのよ」
アユメはさらに、
「そして、
もとこの部屋に207号室に来てとメモを置いて置けば、
207号室にオオシマが来るんじゃない。
オオシマはもとこが吊されているところ見たら
すぐ助けに行くはずだから、
そこをスコップでガーンと一撃で殺すのよ。
後は、
二人をどっかに埋めちゃって、
二人が心中したことにすればいいのよ。
どう、いい考えでしょう」
と
アユメは結構残酷なことを言う。
「それいい考え!
吊されたもとこに驚いたオオシマが入ってきたところを
スコップで思いっきり頭を叩く。
そして、
死体をきちんと隠して、
お嬢さんと使用人との
心中に見せかける。
いいわね」
と
アスカも同調するが、
「あれっ?
心中じゃ、
死体隠したらダメじゃない?」
アユメも、
ちょっと勘違いしていたので。
「ごめん、駆け落ちの間違い」
と
アユメがアスカに言う。
「わたしもごめん。
気づかなくて、そうだったわね。
でも、
相当深く埋めないとね。
死体が見つかったらやばいもんねえ」と
アスカが言うと、
「どこかに落とし穴があったっていってたじゃん。
そこに落とせば」
と
くそたが言うと、
「だめよ。穴じゃむき出しじゃない。
くそたくん力持ちなんだから、自分で掘ってよ」
と
アユメが少しくそたをおだてるように言うと、
「おお、そうか。掘る掘る。深くな」
と
くそたは頷く。
「二人とも頭いい」
バカなヒトメが二人を賞賛する。
「もとめ先生は?」
ヒトメが訊くと、
「正直に話せば、
絶対に賛同するわよ」
と
アスカが言う。
「じゃあ、
これから、
もとこの部屋に行って、
もとこを縛り上げて、
それから、
もとめ先生のいる207号室に行きましょう」
と
アユメが真顔で言ったので、
ホウセイは本当のことをここで言おうか、
迷っていた。