「ホウセイ、懸命のごまかし」
「でもさあ、人殺しするなら昨日したんじゃない」
と
ホウセイは永久の話しを否定する方向で
くそたを納得させようと考えた。
「でも、合宿が延びたんだから最終日だろう」
と
くそたは
まったくホウセイの言っていることにはのってこない。
「でも、
そんなテレビのドラマみたいなことするかね」
ホウセイはまた否定的なことを言う。
「女子の意見を訊くしかないな。
女の方が勘が鋭いから」
と
永久が言う。
「そうだな。
木太郎やおちたじゃなあ。
やっぱり、
アスカちゃん、
レイカちゃんあたりかなあ」
と
くそたが言う。
「でも、違ったら大変なことだぞ」
ホウセイは尚も否定的意見を言う。
「オタクがもとこ先生好きなのはわかってるけど、
命がかかってるからさあ」
と
くそたはホウセイの意見を聴く気がないようだ。
「行くぞ、永久」
くそたはそう言うと、
さっさと部屋を出ていってしまった。
ホウセイはうろたえた。
あのくそたさえ、
いいくるめられなかったのに、
女子をいいくるめる自信がまったくなかったからだった。
木太郎は、
やっとアレを出し終わり、
すっきりした顔でなんとも言えない臭い匂いと共に、
トイレから出てきて、
おちたと二人で、
もとこの見張りを再開した。
もとこは、
どうにか、
見張りがこのマヌケそうな二人だけの間にどうにかならないか、
必死で考えていた。