「殺人をどう防ぐか」
「ゲームが終わったら、
もとこ先生は、部屋に戻る。
そして、
無線機がないことに気づき、
慌てて、
多分、俺たちを疑うだろう」
「何でだよ」
木太郎が鼻をほじりながら言う。
「抜け出していたのが、
俺たち二人だからだよ」
と
ホウセイが答えると、
「俺はちゃんとウンコって言ってきたぞ」
と
木太郎が平気な顔で言う。
「じゃあ、俺か?疑われるのは」
「多分な」
「でも、それより怖いのは、
もとこ先生がそれに気づいて、
犯人を追及せず、
知らないフリして、
オオシマさんを地下から出してしまった場合だ」
と
ホウセイは言う。
「そうか。
もとこ先生を取り押さえれば、
いいのか」
木太郎はそう言う。
「それはそうだが、
どうやってやるかだ」
「あー、
さっきの携帯のボイスレコーダーにとっておけば良かったな」
「もう一回聞くか」
「同じことは言わないだろう」
「じゃあ、
オオシマさんのマネして録音しておこうか」
「無線だし、
声はあまりわからないからな」
結局、
二人が試してみて、
ホウセイの方がうまかったので、
ホウセイの声で録音しておいた。
「多分、
この無線機とボイスレコーダーがあれば、
みんなもわかってくれる。
特に永久やアスカちゃんはな。
おちたももとめ先生も大丈夫だろう」
ホウセイがそう言うと、
「じゃあ、今これからいくか。
ゲームが終わって、
オオシマさんが出てきてからじゃ間に合わないぞ」
木太郎がそう言うと、
ホウセイが少し考え込んだ。