「もとこともとめの対決再開ともとこの部屋捜索」本道(以下略)
休憩が終わり、
もとこともとめの対決が再開された。
ホウセイが先に抜け出し、
木太郎も
「ウンコ」
と言って、
食堂を抜け出した。
ホウセイが木太郎の部屋で待っていた。
「すぐ行こう、
もとこ、いや、もとこ先生の部屋に」
二人がもとこの部屋に行くと、鍵は開いていた。
「しまった。
下手に合い鍵なんてもってこなければ良かった」
「いいよ。
何かで役に立つかもしれないから」
二人が部屋に入ると、
木太郎はいきなりタンスを調べたが、
予想どおり黒い下着ばかりだった。
「何やってるんだよ。
そんなとこにあるかよ。
木太郎」
「悪りい、ちょっと気になって」
木太郎が股間を掻きながら謝る。
「あれだ。
ベッドの上の枕元に小さめの黒い無線機の端末がある」
ホウセイはそう言うと、
携帯を一回り大きくしたくらいの無線機を手にとった。
ホウセイが耳を寄せて聞いてみたが、
スイッチが切ってあるようだった。
ホウセイは裏を捜して、
わかりにくい場所にあったスイッチを見つけた。
「どうする?」
「下手にしゃべっても、
俺たちは男だから、
もとめ先生のマネはできないな」
「ホウセイ、
オカマみたいにできないか」
「無理無理」
「そうだ、木太郎、
じっと黙ってろ。
スイッチだけ入れてみる。
向こうがスイッチ入れていれば、
何か聞こえるかもしれないから」
ホウセイはスイッチを入れた。
「お嬢さん、まだかなあ。
人殺しなんてやめて、
もとめさんをいじめるだけにしておけばいいのに」
オオシマは独り言を言っていた。
木太郎が声を出すと困るので、
ホウセイは、
無線機のスイッチを切った。
そして、
「やっぱりだ。
木太郎の部屋にすぐ戻ろう」
と
ホウセイが言ったので、
二人はホウセイが無線機を持ったまま、
木太郎の部屋に戻った。