「木太郎には説教」
*「木太郎に厳しく」に続きます。
ホウセイの部屋に行って、
おちたとくそたが、
木太郎に説教しようとすると、
「さっきまで、ヒヤヒヤしていたんだから、
楽しい話ししようよ」
と
ヒトメがわざと甘い声で言ったので、
まず、
ホウセイが、
「木太郎も懲りただろうからもういいんじゃないか」
と
言った後、
「そうだな。
お迎えが来るまでバカ話でもして楽しもう」
と
くそたが言ったが、
「ここが大事なんだ。
くそたオタクなんか土下座までしたんだから、
ここはきちんと説教しておかないと、
ほら、
木太郎またハナクソほじくってるぞ。
こいつ絶対反省してないから、
このままだとまた懲りずにやらかすぞ」
と
おちたが強行に反対したので、
結局、
おちたとくそたが部屋の片隅で
木太郎に説教をすることになった。
他方、
キモ男3人衆以外は、
木太郎の笑いでひやひやしたことや、
くそたの土下座話、
そして、
木太郎が自殺したと女子たちが思いこんでいたことなどの話しで、
盛り上がっていた。
そんな話しをしていると、
トントンとノックの音がし、
返事もしないうちに、
「何か楽しそうね」
と
もとこともとめが入ってきたので、
ホウセイが木太郎の話しだけしてごまかした。
「木太郎くんらしいわね」
と
もとめが言うと、
木太郎がもとめのことを笑っていたと思いこんでいる、
もとこが、
意地悪く、
「でも、
何で木太郎くんその前も2度ほど笑っていたのかしら」
と
言った。
すると、
木太郎は最初何か言いかけたが、
おちたとくそたの説教に懲りたのか、
「先生、今はその話しやめましょう」
と言って、
にやりと笑ったので、
もとこは満足して笑うだけですんだ。
一瞬ドキリとしたおちたとくそた以外の生徒は、
おちたの言うとおり二人が説教しておいて、
正解だと思った。
「じゃあ、お待たせしたけど、
行きましょう」
と
もとこがやけに優しく言って、
先に部屋を出て行くと、
おちたに肩を叩かれたくそたが木太郎の耳元で
「今度笑ったら、この程度じゃ済まないからな」
と囁くと、
木太郎は黙って頷いた。