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「ひとときだけのやすらぎ」
「くそたくん、もう頭を上げなさい」
「そうよ」
「ねえ、もとめ、少し休憩しない」
「いいの」
「明日で最後だから1時間休憩しましょう」
「じゃあ、姉さん、
一緒に風呂入ろう」
「そうね、
みんなお疲れだけど一時休憩しちゃっていいかしら」
と
もとこがいやに下手に出たので、
「どうぞ、先生方こそお疲れで、
僕たちはホウセイの部屋に行ってますので、
ゆっくりお休みください。
明日で終わりですから」
と
永久が言うと、
「そうですよ。
先生、今日が最後の夜ですから、
のんびり楽しくやりましょう」
と
ホウセイも言う。
「じゃあ、お言葉に甘えて」
もとこはそういう調子のいいことを言うと、
もとめと二人で露店風呂に向かって行った。
二人が露店風呂の中に入るのを確認すると
生徒たちは、
いっせいに木太郎の部屋に向かった。