「まさかのくそた」
もとこは、
木太郎やホウセイ、
そして、
永久の行為がとても嬉しかった。
もちろん、
もとめのことを笑っていると思っていたからである。
だから、
意地悪なもとこのこと、
もっと笑わせようと考えるようになっていた。
他方、もとめの方はしりとりの回答に
必死でそれまでは
まったく木太郎の笑いの意味を理解していなかった。
そして、
ついに3度目の時が来てしまった。
もとこが、
「ぐ、か」
と言うと、
にやりと笑って
「やせぐすり」
と言ったのだ。
その瞬間、
くそたが木太郎の左のすねを思いっきり蹴ると、
「てめえ、さっきから、
人にハナクソ投げつけて汚ねえんだよ」
と
わざと怒ってみせた。
木太郎はキレた時のくそたの怖さを知っていたので、
「ごめん、許してくれ。
おちたにぶつけようと思ったんだ。
本当だ」
と
言い訳したので、
「そんなにハナクソ投げたければ、
自分の部屋でやってこい」
と
くそたが大声で怒鳴ったので、
木太郎は蹴られた足をひきづりながら、
泣きそうな顔で自分の部屋に帰って行った。
「てえめ、二度と来るなよ」
と
くそたが言うと、
「まあ、くそたくん、
そんなに怒らないで」
と
もとこが演技するくそたをなだめ、
もとめも
「そうよ。あの子のクセなのよ。
あれくらいで勘弁してあげなさい」
と言ったので、
「すみません。
つい、
かっとなってしまいまして、
せっかく、
緊迫したゲームに水を差してしまい」
と
くそたは土下座までして謝った。
このくそたの行動と土下座は
ヒトメをますます虜にすると共に、
ホウセイや永久をはじめとする他の生徒たちを感心させた。
そして、
その後、
キモ男3人衆の評判を著しく高めることの1要素
となったのである。