「チクりたいおちたと止めるくそた」
「じゃあ、もとめが戻ってくるまで、
あたし、露店風呂入ってくるわ。
みんなも入る」
もとこが言うと、
女生徒は
「今は結構です」
と言うと、
「そう、また入ってもいいのよ」
もとこは言うと、
着替えも持たずに一人で露店風呂へ向かった。
「また、入る気かしら」
と
アユメがつぶやく。
「俺、
ちょっともとめ先生のとこ行って来る」
おちたがそう言って、
走っていくと、
くそたが慌てて追いかける。
「待てよ」
と
くそたがおちたに声をかける。
「何故止めるんだ」
「例の整形デブのこと、
もとめ先生にチクる気だろう。
下手に話すと喧嘩になるぞ」
「チクるって、
そうじゃなくて確認に行くだけだよ」
「さっきのやりとり見てわかったんだろう。
もとこ先生の嘘だって。
多分、みんなもそうさ。
だから、
わざわざチクる必要ないって」
「チクるんじゃないって」
「まあ、いいや。
いちいち確認しないでいいよ。
知らぬが仏とも言うだろう」
くそたらしくないことを言う。
「うーん、でも」
「よーし、それじゃあ。
俺の部屋にみんなを集めて意見を聞こうじゃないか。
それなら、文句ないな」
「ああ」
おちたは納得していないが、
くそたの勢いに押されて渋々うなずいた。
くそたとおちたは食堂に戻ると、
「ちょっと、
ここでは話しが出来ないことで、
みんなと相談したいことがある。
悪いが俺の部屋に集まってくれ」
くそたが言うと他の生徒は
うすうす感づいていたのか、
黙って頷くと、
くそたとおちたについて行った。