「いきなりテスト」
一休みを終え、
くそたが207号室に着くと、
みな時間をもてあましていたのか、
名札が置かれた椅子にもう着席していた。
正面には大きな黒板が壁に立てられており、
部屋には机が10個、5、3,2の配列で並べられている。
前が女子、次がキモ男3人、
後が永久とホウセイの席のようだ。
黒板の前には机がひとつ、
部屋の左には何故かちょこんとベッドがひとつ置かれている。
部屋の右側には浴室と扉の感じからトイレがあるだけだった。
くそたが着席して間もなく、
もとこがいつもの格好で現れた。
「起立」
「礼」
「着席」
「みなさま、おつかれさま。
本当なら午後は自習でもよろしいんですが、
時間に限りがありますので、早速、テストを始めます。」
もとこは挨拶もろくにせず問題用紙兼答案用紙を裏にして配る。
「えー、時間は60分です、
今1時1分ですから、2時2分までとします。
終わったら、直接、私の所まで提出に来てね。
次の授業は2時30分から始めますから、
早く終わった人は部屋に戻ってもいいわよ。
では、スタート。」と唐突にテストを開始する。
くそたは問題を開く。
問題の内容は
「今回、選抜された10人の生徒の中で、
不合格となると思う生徒のフルネームを漢字で書いて、
その理由を簡潔に書きなさい」
というものだった。
くそたは周りを見ると、みな考えこんでいるようだった。
しかし、
くそたは、早くゲームをやりたかったので、
「根雅くそた、その他はわかりません。
理由、
僕は今回ゲームをやることに熱中しているので
一番やる気がないからです」と書いて、
もとこに提出するとさっさと部屋を出て、
ゲームをやりにいった。
「はやー」と、
おちたは声を上げそうになったが、
周りが真剣に考えているので口を押さえた。