「木太郎の怪談2」
「そして、
先生がお話したとおり、
207号室にも死体があったということですが、
そこのキッチンにも死体があったのです」
ここで少しだけ、
びくっとした生徒がいた。
「さらに、
そこの露店風呂の更衣室にも
首無しの死体が転がっていたのです。
それだけでは、ありません。
そこのリビングにも死体があったのですが、
消えちゃったのです。
信用してませんね。
さあ、
ついてきてください。
凄いものをお見せします。
しかし、
決して、声を上げたり、
その中に入らないでください。
いいですね。
では、
管理人室で懐中電灯をとってから、
行きましょう。
後を離れないでついてください。
それから、
一切、声を出さないでくださいよ」
木太郎はそう言うと、
管理人室で懐中電灯を取ると、
キッチンへみんなを連れて行く。
木太郎はキッチンの奥を懐中電灯で照らすと、
プレートがあることをみんなに示す。
「あっ、本当だ」
と声を上げたおちたに向かって、
「しー」
と
木太郎が小声で口にひとさし指を当てる。
木太郎はプレートを
ポケットからだしたドライバーではずすと、
その下の数字が並んだ部分を懐中電灯で照らす。
そして、
ポンポンポンポンポンとボタンを押すと、
その上の方でカチッと音がした。
「うあー」
とまたおちたが声を上げると、
今度はホウセイがおちたの口を押さえる。
木太郎はプレートの上の方にある穴を懐中電灯で照らすと、
「絶対に声を上げないでくださいね。
地下にいる悪魔が上がってきますから」
と
木太郎は言ってから、
その穴に腕を突っ込んだ。