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「ゲーム再開前の出来事」
「お待たせね」
もとこが言うと、
「ずいぶん長かったわね」
と
もとめが言うと、
「やっぱり大か」
と
木太郎が言うと、
「あんたじゃないんだから、
余計なこと言うと、あのことバラすわよ」
と
もとこが木太郎ではなく、
もとめの方を見ると、
もとめはうつむく。
「あのことって何ですか?
おちたがにやけて戻ってきたことと
関係あるんですか」
と
木太郎が言うと、
「おちたくんにやけてたの」
と
もとめがおちたを睨む。
「何、いってんだよ。
食堂に戻れたから安心したんだよ」
「もとめ、
あのことバレたんじゃない」
「もう、やめてよ」
「あのことって」
「やめてってば」
もとめは
真っ赤な顔でもとこにきつい口調で頼む。
「さあ、お遊びはここまで、
木太郎くんも余計なこと言わないこと」
もとこはそう言うと、
木太郎にウインクする。
「はい」
「じゃあ、続き始まるわよ。
誰からにしようかな」
もとこは嬉しそうに
もとめと生徒たちの顔を見回した。