「最後のゲーム」
「じゃあ、
最後はしりとりでも真ん中シリトリ、
そう、
3文字だけの言葉しか選べないの。
そして、
いつもは並んだ順番どおりなんだけど、
今度は答えた人が、
次に答える人を指名するの。
結構、ドキドキするわよ。
それから、
指名される人の名前に答えた文字が
一つでも重なったらだめということにしましょう」
もとこがにやにや笑って言うと、
「えー、なんか難しそう」
と
ヒトメが言うと、
「例えば、
私がトマトと言ったとします。
5カウントする間に
例えばヒトメさんを指名したら、
トが重なるからそれだけで負け。
もとめでも同じ。
でも、アスカさんならOK。
ここまではいい」
皆うなづく。
「そして、
アスカさんがマから始める3文字の言葉を
10カウントする間に答えなければ、いけないの。
例えば、
マヌケならOKだけど、
マンガならアウトよ。
また、
マシンのように最後にンのつく言葉もアウト。
それで、
今度はアスカさんが例えば、
アユメさんを指名して続けるってわけ。
そして、
3回負けた人がビリ決勝戦進出よ。
どう?」
と
もとこが言うと、
「先生、
何度も同じ人を指名してもいいんですか」
と
アスカが訊く。
「それは自由、
これも作戦で面白いわよ。
下手に意地悪な人を指名すると、
逆にやり返される可能性もあるから」と
意地悪なもとこが言ったんで、
木太郎たちは下を向いて笑いをこらえていた。
他方、
もとめはかなり不安だった。