「あやしいもとこ」
「じゃあ、
もう番号はいいでしょう。
今から5枚写真みせるから、
その中から選びなさい、
見れば思い出すでしょう」
もとこはノートPCを起動し、
先に何か操作をすると、
順番に写真を見せる。
「じゃあ、最初、これかなあ」
「うーん、違うなあ」
「じゃあ、これかなあ」
「これそうかも、後でもう一度」
「いいわよ」
「3枚目のこれかな」
「違うな」
「じゃあ、最初のとこれ消すわよ」
「はい」
「4枚目よ。これ?」
「うーん、これが準だったかも」
「じゃあ、残すわよ」
「最後、これ?」
「うーん、こっちだったかな」
「じゃあ、3枚もう一度いくわよ」
「最初、うーんこっちだったかな」
「次」
「これだ、準優勝は」
と
木太郎が言うと、
アユメが嬉しそうに手を挙げる。
「これがアユメちゃんか」
と
木太郎は言う。
周りを見ると、
アスカとチウメが
真剣に木太郎の顔を見ている。
「じゃあ、こっち」
「うーん、こっちかなあ」
と
木太郎は迷う。
「もう、どっちよ」
と
アスカがじれったそうに言うと、
もとこがにやりと笑って、
「これかな」
と言って、
木太郎だけに向けて、
写真を見せた。