「新ゲームの恐怖8」
「えー、これはどうかなあ。
よーし、おらはルーオオシバです」
と
もとめが首を傾げながら言う。
「これありなの」
「まったく問題なし」
「ダメよ」
「ありあり」
「濃すぎるわよ」
「そういう問題じゃないだろう」
何故か、まっぷたつに意見が別れる。
「じゃあ、多数決にしましょう」
と
もとこが言うと、
生徒は5対5にやはりまっぷたつに意見が別れた。
「あー」
と
もとめがうなだれる。
もとこはそのとき考えた。
次の私は大丈夫だけど、
生徒もそろそろやばい。
しかし、
ここで終わらせては何かあっけなく、
つまらない。
もう少し、困らせたい。
何かないか。
もとこが悩んでいると、
「先生も微妙ですか」
と
レイカがタイミングよく言ったので、
もとこ自身は実はありだと思っていたが、
最初に異議を唱えたアユメを例にだすことにして
「アユメさんが最初に異議を唱えたように、
本来はアウトでしょう。
しかし、
これだけ意見が割れたので、
もとめに復活のチャンスを
もう一回与えたいと思いますがいかがですか」
とずる賢い言い方をすると、
「もとこ先生の寛大な裁定に賛成でーす」
木太郎がまた媚びを売るような言い方をして手を挙げ、
みんな拍手する。
「じゃあ、みなさん、
どういうチャンスを与えましょうか」
もとこは笑って言った。