「新ゲームの恐怖4」
みんなはもとめに注目した。
また、
やらかすなという顔で。
しかし、
「私はトンビだす、
これはOKよね」
ともとこの方を見てほっとしたような表情をしやのだった。
「まあね。
ビかあ。
ビね。
そう、私はビジンだすなんて。
あっ、また、やっちゃた」
ともとこが自分で自分の頭をはたく。
「姉さん、リーチね」
ともとめが今度はにやっと笑ったので、
また、
もとこは不機嫌になって、
「たまたまよ。
あんた二度も負けてるくせに、
生意気ね。
あんたにぴったりだからトンマにすれば良かったわ」
ともとめを睨みつけた。
「まあ、いいハンデよ。
トンマ相手にはねえ。
じゃあ、私はビリだす。
今の私よ」
ともとこはもとめの挑発に乗らず、
頭を切り換える。
「リ?私はリスだす」
くそたがうまくクリアしたが、
「くそたがリスかよ」
と木太郎が鼻をほじりながらそう言いかけると、
もとこがまた木太郎をじろっと睨む。
隣のおちたが
「またもとこ先生の機嫌悪くなったから、
もうしゃべるなよ、
怒ると怖そうだから今度こそ覚悟しろよな」
とおちたが脅かすと木太郎はうつむいた。
くそたも、
もとこが怖いのか木太郎を相手にしない。
「えー、では、私はスリだす」
と永久も無事クリアする。
「また、リか?あっ、私はリカだす」とホウセイが言うと、
「男なのに、女の名前でもいいんですか」
とヒトメが訊く。
「それはいいと思うけど、
ホウセイくんはさっきマネキンと言ってみたりで
オカマか変態かもしれないしね」
ともとこが言うとみんな笑って頷く。
「そんな先生ひどい」
ホウセイが苦笑いする。
「えーでは、私はカイチョウだす」
と
木太郎もうまく言う。
「どっちの?」
と
おちたが訊くと
「社長の上に決まってんだろう」
と
木太郎は乱暴な言い方をしたが、
もとこの視線に気づき、また、うつむいた。
「そっちね」
「じゃあ、私はウジムシだす」
と
おちたが気持ち悪いことを言うが、
誰もが無視する。
生徒たちのほとんどが、
このゲームは集中力が大事なことに気づいたので、
言葉尻に注意して
あまり内容に関心をもたないようにしていた。