「新ゲームの恐怖3」
「くだらないことは大声で言って、
大事なことは小声。
まあ、そんなことはいいわ。
ありえないというよりそれはおかしいわねえ。
なんというのかなあ。
意味がわかるようじゃないと駄目じゃないのかな。
そう、こういうときは、多数決ね」
と
もとこが言って、
「駄目だと思う人?」
と訊くと、
永久とヒトメ以外が手を挙げる。
「残念ね。
たしかに、
タコがしゃべることはありえないけど、
コタツはおかしいわね。
でも、
若いのに、
何でコタツなんか選んだの。
ううん、
そんなことどうでもいいわ。
余計、
このゲームややこしくなったけど、
その方が面白いわね。
そう、そう、
さっきのマネキンも駄目よね」
と
もとこが言うと、
「ンがつくから駄目ですよ」
と
レイカが言うと、
「そういうことじゃなくて、
生き物じゃないからということですよね」
と
アユメが言った後、
「人形はどうなのかなあ」
「しゃべる人形もいるからいいんじゃないの。
擬人化できるものはいいんじゃないかなあ」
と
ホウセイが言う。
「擬人化ね。そうしましょう、
とにかく意味がわかることね」
と
もとこが言うとみんな頷く。
「あー、なんとなくわかりました。
そういうことだすね。
あー違う、違う」
ヒトメの言葉に、
木太郎は必死に笑いをこらえる。
ヒトメはしばらく考えて
「私はオカメだす」
と言い直す。
しかし、
誰も笑わない。
「えー、私はメイドだす」
レイカはうまく切り抜ける。
「ド?えー、ドは、そうだ!
私はドイツジンだす、あー」
と
チウメもミスる。
「ねえ、
焦るとンで終わるのがいけないことを
どうしても忘れちゃでしょう。
ねえ、
本当、難しいでしょう」
もとこは、
またくどく難しいと言ったが、
その機嫌はますますよくなる。
「えー、行きます。
私はヒトだす」
チウメもどうにか次はクリアする。
そして、
次は注目のもとめの番だった。