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「ルの恐怖」
「木太郎、ホウセイの言うとおり、
定番過ぎるよ、まだ甘いな。
では、ホウセイがイタリアンなら、
僕は画家で行きましょう、ルノワール、
あはは、どうだ」
おちたもにやりと笑ってクリアする。
「下の名前だけど、
高名な画家だからOKにしましょう」
もとこが言う。
「そう。私はねえ、
こう見えても子供の頃かっこいいと思ってた、
ルーズソックス、らしくないでしょ」
アスカも楽しんで言う。
「うーん、らしくない。
黒のストッキングて感じねえ。
アスカは。じゃあ、私はねえ、
これで苦労したのよ。ルート」
と
アユメが笑っていう。
もとめはみんな余裕を持って
楽しんで言葉を選んでいるので危ないと思ってきた。
チャンスはこの中で
一番バカなヒトメしかないと思って、
祈るようにヒトメを見つめる。
「もとめ先生なんで、私の顔じっと見てるのよ。
バカだと思ってるんでしょう。うーん」
「7,6,5,4,3」
とカウントが迫ると、
「でも、残念でした。えへへ、月の女神よ、そうルーナ、」
と
ヒトメが勝ち誇ったようにもとめの方を見て笑った。
(続く)