表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
103/617

「207号室行きのアユメと呑気な木太郎」

 

 トントン。

 「アユメさん、

 私、もとこ。準備はいい」

 もとこがアユメの部屋のドアを叩くと 

もう準備をしていたアユメがパジャマ姿で出てきた。

 「えーと、もう11時近いけど、

さっきお話ししたとおり朝は7時まででいいわ。

あとは、さっき言ったとおりね。

それから、非常用のこの無線ビル一応渡しておくわ。

 どうしても怖くなったら押しなさい。私が助けにくるからね。

でも、これを使うと減点よ」

 「はい。がんばります」

 アユメは内心怖かったが笑ってそのベルを受け取った。

 そして、207号室へ入っていった。

 


 もとこは部屋に戻ると、にんまり笑った。

 今日はすべて計画とおり、もとめを完全にはめてやった。

 もとこが予想していた以上にもとめはもろかった。

 これなら、明日の計画もうまく行くに違いないと確信していた。



 露店風呂では、

 木太郎とホウセイがもとこに何のご褒美をもらおうか相談していた。

 「コンテストの時のSDカードは」

と木太郎が言うと、

 「消したことになっているから、無理だろう」

 ホウセイが答えると

 「いや、消去したSDカードが欲しいんですと言えばいいんだよ」

 木太郎が言う。

 「そうか、もとこ先生のことだから、

とぼけてくれるかもな。木太郎、見かけによらず、賢いな」

 「バカにしてるのか、褒めてるのか」

 「両方だよ」

 ホウセイが言うと、二人で笑い出す。

 

 「明日もゲームやりたいなあ」

と後からくそたが顔を出す。

 「僕も」

 おちたもにやりと笑っていう。

 永久だけはぼんやりしている。

 「大丈夫だよ。永久はもう。ケツだしたから」

 木太郎が冷やかすと、

 「いや、油断はできない」

 永久は真顔で答える。

 「じゃあ、ゲーム参加しないのか」

 くそたが言うと、

 「参加はするよ」

と言って少し笑う。

 「でもさあ、もとめ先生にはがっかりだよな。

整形デブにおバカだもんな」

 木太郎が鼻をほじりながら笑うと、

 「おい、もとこ先生に言いつけるぞ。

バレたら、ご褒美なくなるぞ」

 おちたが脅かしたので、

 木太郎は慌てて、浴槽を出ると、

つるんと滑って転んだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ