「もとめの苦戦」
「じゃあ、ミスったもとめからどうぞ。
これでリセットよ。さっきの言葉はまた使っていいからね」
と
もとこが言うと、
もとめはいきなり
「トウキョウ」
と言って、
「ブー」
と
木太郎に言われて、
みんなに大笑いされた。
「あーそうだった。同じミス。あー」
と
もとめは完全にパニくった様子だ。
「もう、大人なんだから、
高校生に負けてどうすんのよ。
みんななんて計算してリ責めとかしてんのに、
最初から間違えてどうすんの。
だから、受験も失敗するのよ。
少しは考えなさいよ」
もとこは意地悪く責める。
「ごめんなさい」
もとめは悔しいがそのとおりなんで
うつむくしかなかった。
木太郎はまた下をむいて笑いをこらえる。
「じゃあ、悪いけど、もとめを飛ばして、
くそたくんから始めてくれる」
「はい。では、リス」
「また、リ責めか、じゃあ、リカ」
と
永久は覚えていたとおりに言う。
「リシ」
と
ホウセイも覚えていたとおりに言う。
「リレキショ」
と
木太郎もワンパターンで安全策を行く。
「はい、シリトリ」
おちたも同様だ。
「固いわね。それに記憶力いいわね。みんな」
もとこがにこにこして言う。
「トンネル」
と
アスカも固い。
「ネコ」
と
アユメが言う。
「また、ネですか。ネクタイ」
と
ヒトメがあっさり言う。
「タコ、
ごめん。誰かさんじゃないわよ」
と
レイカは木太郎のつもりで言った
が、
もとめは自分が言われたと思って
顔には出さないがすごくむっとした。