「突然のテスト」
木太郎は問題用紙が配られると、
気合いを入れて問題を読んだ。
「二つのテーマのうち、
一つを900字から999字までの文字数(句読点含む)で
まとめなさい。
1,私花久素子の魅力について
2,私花久素子のイヤなところ」
うあー、凄い問題だ。
これって、踏み絵?それとも?
それにしても、いきなり、こう来るとは俺が流した変態だ
という噂もまんざらじゃないな。
クラスは全部で35人。
残るのは10人前後。
倍率は3.5倍さあ、どう書こう。
わざとけなすか、やっぱり本音で行くか?
木太郎は迷っていた。
他方、
ホウセイは文章をまとめるのに苦労していた。
魅力を書いたらきりがない。
この文字数で訴えるとしたら、
どう構成するか。頭を悩ます。
永久は恐ろしかった。
褒めても地獄、
けなしても地獄。
さあ、どうしよう。
白紙でだすか。
くそたとオチタは
質問の意図もわかっていなかったのに、
妙に自信をもって書いた。
くそたは質問攻め。
オチタは初対面なのでわかりませんの連続。
アユメとヒトメは
適当に褒めちぎってまとめた。
チウメは用紙から感じる
異様な何かに震えて何も書けない。
アスカはもとこを鼻から嫌っていたので
とにかくけなしまくった。