スペシウムが足りない
「ちょっとイライラしすぎじゃねーか?」
ミドルはカルシウムが足りないようだ。
「技の構成を考えてるんだけどさ」
ミドルとススムは組み手中だ。
ミドルが気を張ると、磁界が発生した。ブーメラン星雲にでも行かない限り、近藤効果は無視して良い。
「待て待て!」
あわてて制止するススム。
ミドルは両手を下げて静止した。
「お前ね、必殺技ってのはいきなり出すもんじゃないんだよ!」
あんなのを喰らったら、ひとたまりもない。ミドルの破軍拳は、さしづめインドラの光だ。
「そうだな」
渇いた笑いをするミドル。破軍拳の使い手が悪魔のような人物だったら、それこそ地獄世界と果てていただろう。
「ウルトラマンが序盤でスペシウム光線を出さないのにも、理由があるんだよ」
多くの必殺技には、タメが必要だ。
「序盤は相手も動きがいいし、かわされそうだな」
魔貫光殺砲を当てるのにも、大きな犠牲を伴った。
「プロレスで端からキン肉バスターしないもんな」
たとえ決まったとしても、金返せである。
「お前の破軍拳は、しょっぱなからやったら敵が逃げ出して戦闘が終わるだけだぞ」
トドメにはならない。
「戦いだけじゃないか・・・」
なにやら考え込むミドル。
「議論の冒頭でとっておきのネタをぶっこむと、分が悪そうだな」
それを言っちゃあお終いだよという場面を、昨今よく目撃する。
「飛躍するみたいだけど、最終的な利益だけが欲しいって考えも危険だぞ」
ススムは悪徳企業とSNSの詐欺行為に辟易としている。
「そんな会社は長続きしないだろうな」
「骨の無いやつが増えたぜ」




