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術は長く、生は短し

 雲水伯楽。

18歳にして万学をきわめ、古今東西のありとあらゆる武術を取り入れ、雲水流を創始する。もともと穏やかな性格で、俗世間の煩わしさから隠遁し、ここ五大所山に住まうようになったのである。


「終わったぞ」

 雲水の言葉で、ミドルは目を覚ました。

ミドルはたいそう寝起きが悪かったのだが、この時ばかりはぱっちりと覚醒した。

上半身を起こして、あたりを見回すミドル。


「どうじゃ?」

「カラダが・・・軽いです・・・」

 ミドルは自分の変化を感じているようだ。


 雲水がモニターに表示させる。

「お前のマナエネルギーの還流率じゃ」

「97.8%・・・」


「うむ、驚異的な数字じゃな。普通の人間は10%ちょっとじゃ。だから疲れやすいし、思ったパフォーマンスを発揮できない状態にある」


 ミドルはゆっくり立ち上がって両手を見る。

「ちょっと力を入れてみるんじゃ」

 雲水が声を掛け、ミドルはそれに従う。


 ミドルが気を張ると、研究所に落ちていたビス・ネジがふわっと浮かび上がった。あたりの空間が磁気を帯びている。


「ふぉっふぉっふぉっ、これでお前も工事現場で活躍できるぞ」

「確かに、これは釘を打つときも無くさないし便利ですね!」


「外に出るんじゃ」

「はい!」


 八角堂の前に出ると、山の空気がミドルにビンビン呼応しているのが感じられた。

「師匠! なんだか、カラダがとっても気持ちいいです!」


「そうじゃろ、そうじゃろ。どれ、思いっきり高く翔んでみろ」

 ミドルが膝をかがめてから跳ね上がると、五大所山の頂上をはるかに越えて、見下ろす高さにまで届いた。


 自由落下の運動式を無視して、垂直方向に反発する力がミドルから発散するため、ゆっくりと着地することが出来た。









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