表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
破軍のヘルメシヤ  作者: 三重野 創


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/53

春のことぶれ

 ドゥニア・ゲランガンも幕を閉じ、またいつもの日常に戻った。ススムの肉体も回復基調にあり、修行を再開していた。


「おっ、ススムやってんな!」

 ミドルが元気に声を掛ける。


「おう! いつまでも寝てらんないからな」

 ススムはシャドーを繰り返している。


「ん? なんか見たことあるな。その動き」

 ススムは対戦相手を想定してシミュレーションしていたのでは無かった。


「ああ。アクションスターの越苦春到えっくはるとの真似さ。あんなシャープでダイナミックな動きを俺も体得したいんだよ」


「ススム、春到の真似してるだけじゃ、いつまでたっても春到を追い抜けねーぞ」

 ミドルは型の練習が嫌いである。


「ミドル、お前には感謝してるけどさ。あの大会でコテンパンにやられてオレも思うところがあってな」

 兄弟弟子との実力差はさほど無いと思っていたススムだが、自分を完膚なきまでに打ちのめしたニーマイヤーを、ああも簡単に始末したこの少年に対して、悔しさと寂しさを覚えていた。


「なにシケたツラしてんのよ。ちょっと一服しましょ」

 ウィルは肉体鍛錬も行っているが、わずか12歳にして物理学会にも籍を置いている。


「わお、良い香り!」

 ウィルは紅茶のロンネフェルトを淹れてくれた。


「それから、これ二人にあげる」

 真っ赤なハート型のBOXに、ゴールドのリボンが飾られていた。


「そうか、きょうはバレンタインか!」

 さっきまで不穏な空気が漂っていたが、ウィルのおかげでハッピーでラッキーなムードがあたりを包んでいた。


「「ありがとう! ウィル!」」

 ひと粒食べると、もう一粒食べたい欲求が瞬時に生まれ、その繰り返しであっという間に無くなった


「ちょっとちょっと! もう少し味わって食べてよね!」

 研究熱心なウィルの手に掛かれば、チョコ作りもざっとこんなものだ。


「ウィルは料理も美味いもんな!」

 胃袋もハートも掴まれてしまっている。


「大会が終わって二人とも疲労がたまってるだろうから、もっと食べないとね。肉も魚もお米もね」

 食い意地の張ったこの三人に、恋愛感情が生まれるとは筆者も想像が付かない。


「そうそう! 肉はヘルシーだからな!」

 大食い漢の詭弁のように聞こえるが、彼らのような戦士には、真理であろう。

 “力は、血から”である。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ