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破軍のヘルメシヤ  作者: 三重野 創


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戦場のハッピーニューイヤー

「ススム、あいつなんだか異様な雰囲気だぜ」 

 すでに決勝進出を決めているミドルが、準決勝戦を控えたススムに声を掛ける。


「ここまで来たんだ。おじけづいて帰るわけにもいかないしな」

 気合い十分、前へ前へと進むのみだ。


~~~


 アウグスト・ヘルマン・ニーマイヤー。異名は簡潔に、「壊し屋」である。


 ススムが先手を打った。土手っ腹に一発決めると、勝利を確信したのか、胸と腹部の急所をありったけ殴り倒した。


 ヘルマンがススムの上にグッタリと乗りかかった。ススムの口元がこぼれる。

「おい、ススム! 逃げろー!」

 慢心のススムに、ミドルの声が届いていない。


 小兵ススムはパワーボムで軽々持ち上げられ、マットに沈められた。


 口から血を吐きながらも、よろよろと立ち上がるススム。


「お前、もしかして自分がまだ死なないとでも思ってるんじゃないかね?」

 ススムの全身に悪寒が走った。


 ススムは顔の左側面を殴打され、首が飛んだかとおもうほどの衝撃が走った。全身をバラバラにしてしまいそうな鈍い打撃音、死の狂騒曲が、止まらない。


~~~


 医務室でススムの変わり果てた姿を見つめているミドル。かろうじて、まだ息はしている。

どのツラを下げて、という言葉がふさわしいだろう。ヘルマンがススムの病室にやって来た。

「お前が決勝の相手か。ああなりたくなかったら、とっとと荷物をまとめて帰るこったな」

 いまにも殴りかかりそうなミドルを、ウィルが止めた。ヘルマンは気にするそぶりもなく、立ち去った。


「ミドル・・・」

 泣き出しそうなウィル。


「ぼくは、ぼくは・・・、あの人に勝ちたい!」

 ミドルは、掌外沿しょうがいえんを激しく壁に打ち付けた。




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