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八角堂の戦い

「よっと」

 ミドルがチェーンを伝って絶壁をよじ登ると、100坪ほどの小広い敷地があった。その中央に、さきほど見た八角の庵がある。


「雲水のじっちゃん、どこ~?」


《ここじゃよ》


 雲仙人は、屋根の上で東方を眺めていた。

そこには、漫画や映画で思い描く、達人の風貌とは似ても似つかない好翁の姿があった。

長い髪を後ろで縛り、つなぎ服を着てたばこをくゆらしている。


「てっきり少林寺みたいなストーリーが始まると思ってたんだけど・・・」

 ミドルは後ろ手で髪をかく。


「ワシになにか用かの? 少年」

「うん、俺の名前は必勝ミドル! じっちゃんに強くしてもらいたいんだ! だから・・・」


 背後に気配を感じたかと思うと、次の瞬間、ミドルははげしく突き飛ばされた。

 立ち上がると、雲仙人は手を休めず連続で突いてくる。


 ミドルは防戦一方だ。

(はやい! だけどこれは手を抜いてくれてるな・・・)


ぎょうじゃよ、陘で受けるんじゃ、ミドルよ」

「ぎょう?」


「突きはまともに受けてはイカン。谷のようにV字で引いて受け流すんじゃ」

「あっ、それはイメージしやすい!」


 隙を見て、ミドルも必勝中段蹴りをお返しする。

が、空を斬り、あえなく尻餅を付いた。







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