ドゥニア・ゲランガン
「そろそろ良いじゃろう」
雲水は右足だけでふわりと身を起こした。
「ミドル、ススム!」
圧のある師匠の声に、弟子たちは手を止めた。
「お前たちの修行の成果を、試してみる時期じゃ」
ミドルは拳を手に打ち付けた。
「ワクワクするなあ、ススム!」
「ああ、オレたちもこの数ヶ月でずいぶん成長したんじゃないかな」
「なに、生意気言ってんのよ! あんたたちよりも強いやつなんてゴロゴロいるんだから! 世界は広いのよ!」
ウィルなりのエールであった。
「太平洋に浮かぶ巨大リゾート施設、スター・アイランド。そこで開かれるドゥニア・ゲランガン(世界闘技場)に、腕に覚えありの猛者たちが集まる」
「不足は無いですね」
威勢のいいことを言っているが、ミドルの脚は震えていた。
「スター・アイランド! そうか、ハイパーループが開通して、格段にアクセスが楽になったんでしたね!」
ススムは鉄道マニアでもある。
「はは、やったね! 俺たちも優雅にハイパーループでスター・アイランドに直行だぜ!」
ミドルは豊富な駅弁メニューを思い描いていた。
「お前は何を言っておるんじゃ」
雲水が真顔でとがめる。
「ええと、まさか・・・?」
メシヤとススムは額に汗をかく。
「泳いで行くんじゃよ」




